香港への持ち込み禁止食品リスト|規制内容と没収されないための対策

香港への持ち込み禁止食品リスト|規制内容と没収されないための対策

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香港へ旅行や出張で訪れる際に、食品の持ち込みに関するルールを正確に理解しておくことは非常に重要です。

香港は国際的な自由貿易港として知られていますが、動植物由来の食品に対しては世界でも厳しい規制を設けています。

特に肉や卵、乳製品をはじめ、果物、乾物、カップ麺なども成分によっては持ち込み禁止となる場合があります。

知らずに持ち込んでしまうと、空港で没収されるだけでなく、高額な罰金が科せられることもあるため注意が必要です。

このページでは、香港持ち込み禁止食品の最新ルールや具体的な禁止対象、例外的に許可されるケース、税関での対応方法などをわかりやすく解説します。

旅行前にこの記事を読めば、どの食品が安全に持ち込めるのかを理解し、安心して渡航準備ができるようになります。

◆記事のポイント
・香港で持ち込みが禁止されている食品の種類と理由を理解できる
・空港税関での申告ルールや没収対象を把握できる
・旅行者が安全に食品を持ち込むための具体的な対策がわかる
・現地で合法的に食品を購入・利用する方法を知ることができる

目次

香港への持ち込み禁止食品の基礎知識

  • 肉と卵製品
  • 果物と植物検疫
  • カップ麺の可否
  • 水と液体ルール
  • パンの持ち込みに関する注意点

肉と卵製品

香港では、動物由来の食品に関する持ち込み規制が非常に厳しく設定されています。特に肉類や卵製品は、感染症や病原体の持ち込みを防ぐ目的で、法律によって明確に禁止されています。結論として、香港に入国する際には、個人消費目的であっても肉や卵を含む食品を持ち込むことは基本的に認められていません。これは観光客・ビジネス渡航者を問わず、すべての旅行者に適用されます。

肉製品の持ち込み禁止の背景

肉類の持ち込みが禁止されている主な理由は、口蹄疫(こうていえき)や鳥インフルエンザなど、動物感染症の拡散を防ぐためです。特に未加工の肉やソーセージ、ハム、ビーフジャーキーなどの加工肉も、加熱処理や真空パックであっても検査証明書がない限り禁止対象とされています。
以下の表は、一般的に持ち込みが禁止されている主な肉製品の例です。

区分 対象食品 規制内容
生肉 牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など すべて禁止(商業輸入のみ許可)
加工肉 ソーセージ、ハム、ベーコン、ビーフジャーキーなど 原則禁止、証明書があれば検査後に許可される場合あり
動物脂 牛脂、ラードなど 一般旅行者による持ち込みは禁止

卵製品や乳製品の扱い

卵製品も動物検疫条例の対象であり、生卵や温泉卵、半熟卵などは一切持ち込めません。さらに、マヨネーズや卵入りケーキなど、一見加工されている食品でも卵由来成分が含まれている場合は没収の対象となることがあります。乳製品についても同様に、検査証明がないものは規制対象です。

違反した場合の罰則

香港税関によると、持ち込み禁止品を申告せずに入国した場合、最大で罰金50,000香港ドル(約100万円)および6か月以下の懲役が科せられる可能性があります。また、没収された食品は即座に廃棄され、返還は行われません。観光目的の短期滞在者でも免除されることはありません。

許可を受けた持ち込み例

商業目的での輸入や、特別な証明書(衛生証明書や動物検疫証明)を所持している場合は、香港食物環境衛生署(FEHD)による事前申請を経て許可されるケースがあります。旅行者個人による申請は現実的ではないため、一般的には「肉や卵製品は持ち込まない」と覚えておくのが安全です。

【参照】
・香港食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department) https://www.fehd.gov.hk/
・香港税関(Hong Kong Customs and Excise Department) https://www.customs.gov.hk/
・農業漁業自然保育署(Agriculture, Fisheries and Conservation Department) https://www.afcd.gov.hk/

果物と植物検疫

香港では、果物や植物の持ち込みも厳重に管理されています。これは、外来害虫や病原菌が国内の農業や自然環境に悪影響を与えることを防ぐためです。特に生の果物や野菜、種子、苗木などは、見た目に問題がなくても植物検疫法により持ち込みが制限されています。旅行者が軽い気持ちで持参した果物が、検疫で没収される事例は少なくありません。

持ち込み禁止の範囲と具体例

果物や植物の持ち込みが禁止されている対象は以下のように分類されます。

区分 主な対象 規制内容
生の果物・野菜 リンゴ、バナナ、マンゴー、ブドウなど 原則禁止。輸入許可証が必要
種子・苗木 観葉植物、盆栽、花の球根など 特別な許可がない限り禁止
乾燥・加工品 ドライフルーツ、乾燥ハーブなど 検査証明があれば可。商用数量は申請必須

このように、加工度が低いものほど持ち込み制限が厳しくなります。特に、土の付着がある植物や種子は、微生物や害虫を媒介する可能性があるため、ほぼすべてのケースで持ち込み禁止となります。

香港での植物検疫の流れ

香港国際空港では、入国時に税関検査の際、植物や果物を申告する必要があります。申告せずに発見された場合、没収および罰金の対象となる場合があります。植物検疫官による確認の結果、必要な許可証(例えば「植物輸入許可証(Plant Import Licence)」)を提示できれば、例外的に持ち込みが認められる場合もありますが、一般旅行者がこの許可を得るのは非常に困難です。

違反時の罰則と注意点

植物検疫に違反した場合、最大で罰金100,000香港ドル(約200万円)および1年以下の懲役が科される可能性があります。特に、香港では環境保護への意識が高いため、たとえ少量であっても「知らなかった」では済まされません。旅行前には、必ず最新の規制情報を確認することが重要です。

安全な代替方法

もし香港に果物や植物を贈りたい場合は、香港内で販売されている輸入許可済み商品を利用するか、現地のオンラインショップを通じて配送するのが安全です。個人での持ち込みではなく、合法的なルートを選ぶことが、トラブルを避ける最も確実な方法です。

カップ麺の可否

香港への渡航時に、カップ麺を持ち込めるかどうかは多くの旅行者が気にするポイントです。特に日本から訪れる人にとって、手軽に食べられるカップ麺は旅先での安心食として人気があります。しかし、香港では食品の持ち込みに関して厳しい基準が設けられており、カップ麺も内容によっては禁止対象になる場合があります。

カップ麺が禁止されるケースとは

香港の食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department)によると、動物性成分を含む食品は検疫の対象とされています。特に、カップ麺の中に「肉エキス」「乾燥ミンチ」「魚粉」などが含まれている場合、それがたとえ微量でも動物由来の成分として扱われる可能性があります。
また、スープベースや粉末スープに豚、鶏、牛などのエキスが使われているものは「肉製品」と見なされ、持ち込み禁止品の範囲に該当することがあります。

以下の表は、香港へのカップ麺持ち込みに関する一般的な分類の一例です。

種類 成分 持ち込み可否 備考
野菜系カップ麺 動物性原料なし 可能 包装未開封であることが条件
シーフード系カップ麺 魚介エキス入り グレーゾーン 税関の判断による
肉系カップ麺 豚・鶏・牛エキス入り 原則禁止 没収の可能性が高い

税関での判断基準と対応策

香港国際空港の税関では、入国時に食品が申告対象かどうかを職員が判断します。包装が未開封であり、かつラベルに成分が明示されていれば、検査官が判断しやすくなります。しかし、成分表が外国語(特に日本語)だけの場合、内容が不明瞭とみなされ没収されるリスクが高まります。
このため、可能であれば英語表記のある製品を選ぶか、持ち込みを避けるのが安全です。複数の種類を持ち込む場合は、申告して確認を受けることが推奨されます。

カップ麺を香港で購入する方法

香港市内には、日本のカップ麺を扱うスーパーやコンビニが多く存在します。特に日本ブランドの食品を専門に取り扱う店舗(例:AEON、YATA、CitySuperなど)では、現地で輸入許可を受けた製品を購入できます。そのため、あえて持ち込むよりも現地調達のほうが確実で安心です。

よくある誤解と注意点

観光客の中には、「個人用の少量なら問題ない」と誤解している人もいますが、香港の規定では数量の多少を問わず禁止成分を含む場合は没収の対象です。また、没収された際に弁明しても、返却されることはありません。食品検査は厳格に行われているため、「見逃してもらえる」ということはまずないと考えておくべきです。

このように、香港にカップ麺を持ち込む場合は、成分に動物性素材が含まれていないかを事前に確認し、少しでも不安があるものは避けるのが賢明です。旅行中にどうしても日本の味を楽しみたい場合は、香港国内で販売されている正規流通品を購入するのが最も安全な選択といえます。

水と液体ルール

香港では、液体類の持ち込みについても厳格なルールが定められています。特に国際線の搭乗前検査や入国審査では、液体、ジェル、スプレー類が厳しく制限されており、日本からの旅行者もこのルールに従う必要があります。これは安全管理上の理由によるもので、他国の空港と同様に国際民間航空機関(ICAO)の基準に基づいています。

機内持ち込みできる液体のルール

香港国際空港では、液体類を機内に持ち込む場合、次の条件を満たす必要があります。

項目 内容
容量制限 1容器あたり100ml以下
持ち込み可能量 1リットルまで(合計)
容器の収納方法 透明で再封可能な袋に入れる(容量1リットル以内)
対象物 飲料水、化粧水、ジェル、ペースト状食品などすべての液体物

水や飲料を含む液体類は、制限を超える場合には手荷物として持ち込むことができません。これらは搭乗前の手荷物検査で没収されます。

香港入国時の液体持ち込みルール

香港到着後、税関を通過する際の液体類の規制は主に食品安全の観点から設けられています。ミネラルウォーターやジュースなどは、商用数量でなければ問題ありませんが、未開封であることが条件です。自家製の液体や不明な容器に入ったものは没収対象となります。
一方で、医療目的の液体(例:処方薬のシロップなど)は医師の証明書があれば許可されることがあります。

ペットボトル飲料の扱い

香港では、ペットボトル飲料の持ち込みそのものは禁止されていませんが、前述の通り機内持ち込みの際には100ml制限が適用されます。そのため、空港内の保安検査を通過した後、搭乗口付近に設置されている売店や自動販売機で購入するのが一般的です。現地では飲料水の品質管理が厳しく、コンビニやスーパーで安全なペットボトル水を購入できます。

観光客が注意すべきポイント

観光客が最も誤解しやすいのが、「チェックイン後ならどんな飲み物でも持ち込める」という点です。実際には、搭乗前の最終手荷物検査を通過する時点で液体制限が適用されるため、水や飲み物は保安検査後に購入する必要があります。また、香港内の一部イベント会場や博物館などでは、館内への飲料持ち込みを禁止している場所もあるため注意が必要です。

環境面から見た注意点

香港では環境保護の観点から、使い捨てプラスチック容器の削減が進められています。特に2025年以降は、特定のプラスチックボトルの販売規制が強化される方針が示されています。旅行者も再利用可能なボトルを利用し、現地のウォーターサーバーなどを活用するのが望ましいとされています。

このように、香港での水や液体の持ち込みルールは、航空機の安全と環境保全の両面から厳しく定められています。事前にルールを理解しておくことで、スムーズな入国と快適な滞在が実現できます。

【参照】
・香港国際空港(Hong Kong International Airport) https://www.hongkongairport.com/

パンの持ち込みに関する注意点

香港への旅行時に、パンやベーカリー製品をお土産や軽食として持ち込もうと考える人は少なくありません。しかし、香港では食品衛生および輸入規制の観点から、パンの種類や製造方法によっては持ち込みが制限される場合があります。見た目は安全そうでも、使用されている原料によって禁止対象になることがあるため、事前にルールを理解しておくことが重要です。

パンの持ち込みが制限される理由

香港では、動物由来成分や生鮮食品の輸入に関する規制が厳しく設定されています。特にパンに使用される材料の中で注意が必要なのは「乳製品」「卵」「肉類」「バタークリーム」などです。
これらの成分は、感染症や病原菌の持ち込みリスクがあるとして、動物検疫条例(Cap. 421)により制限対象となることがあります。
つまり、パンそのものではなく、含まれている原材料によって判断されるという点がポイントです。

以下の表は、香港へのパンの持ち込み可否を判断する際の参考分類です。

パンの種類 主な成分 持ち込み可否 備考
シンプルな食パン 小麦粉、酵母、塩など 可能 未開封・少量に限る
菓子パン 卵・乳製品・バター使用 グレーゾーン 税関の判断による
肉まん・カレーパン 肉・カレーなどの具材入り 原則禁止 肉製品扱いとなる
クリームパン・カスタードパン 卵黄・乳製品を含む 禁止の可能性あり 動物由来成分を含むため注意
デニッシュ系 バター使用 原則禁止 乳製品扱いになる可能性が高い

このように、見た目が同じようでも、成分や加工方法によって扱いが変わります。特に「肉入り」「卵入り」「バター使用」の製品は、持ち込みを避けたほうが安全です。

税関でのチェックと注意すべき手続き

香港国際空港や陸路の入国ポイントでは、持ち込み食品に対して税関職員がチェックを行います。未開封で工場製造品とわかるラベルが貼られていれば、比較的スムーズに通過できることが多いですが、手作りパンや成分表示のない商品は没収対象となります。
また、申告せずに禁止品を持ち込んだ場合には、香港税関条例(Cap. 60)に基づき罰金または懲役刑が科されることがあります。最大で罰金50,000香港ドル(約100万円)および6か月以下の懲役が定められているため、注意が必要です。

手作りパン・お土産パンの扱い

家庭で焼いたパンや個人店舗のベーカリー商品などは、製造元証明がないため、食品安全基準上リスクがあると判断されることがあります。特に日本で人気のクリームパンや総菜パンは、香港では「肉製品」「乳製品加工品」と見なされ、税関で没収されるケースが報告されています。
市販されているパッケージ入りのパンであっても、真空包装などの保存形態が取られていない場合は認められない場合があります。

持ち込みを避けるべきパンの具体例

旅行者が誤って持ち込もうとするケースの多いパンには、以下のようなものがあります。

パンの例 理由
カレーパン 肉・野菜・油を含み動物性食品扱いになる
メロンパン 表面にバターや卵が使用される場合あり
クロワッサン 多量のバターが使われるため乳製品扱い
あんぱん 具材が問題になることは少ないが、卵黄使用時は注意

このように、動物性成分の有無が判断基準となるため、材料表記をよく確認することが大切です。

安全に持ち込むためのポイント

香港にパンを持ち込みたい場合は、以下のような工夫をするとリスクを減らせます。
・工場製造で未開封の状態にする
・パッケージに英語または中国語の成分表記があるものを選ぶ
・肉や乳製品を使っていないパンを選ぶ
・数量は個人消費目的の範囲にとどめる

また、パンの代わりに香港現地で安全に調達する方法もおすすめです。香港には日本のパンブランド(例:山崎、DONQなど)も進出しており、安心して食べられる商品が多くあります。

よくあるトラブルと回避策

旅行者の中には、検査官から「中身を確認させてください」と言われ、封を開けた後に没収されるケースもあります。これは食品の安全性を確認するための手順であり、拒否することはできません。そのため、持ち込みを前提とする場合には「失っても問題ないものだけを持参する」という意識が重要です。

前述の通り、香港では食品に関する法律が頻繁に改定されることがあるため、出発前には必ず公式サイトで最新の情報を確認することが求められます。特に、パンのように「加工食品でありながら動物由来成分を含むもの」は、判断基準があいまいな場合が多いため、常に慎重な対応が必要です。

 

香港への持ち込み禁止食品のQ&A

  • 酒の持ち込み制限と免税枠
  • ペットボトル持ち込みの規定
  • 電子たばこ・たばこ商品の規制
  • 乳製品・チーズ・はちみつの扱い
  • スパイス・乾物・お菓子の可否

酒の持ち込み制限と免税枠

香港は自由貿易港として知られていますが、酒類の持ち込みには明確なルールと制限が設けられています。旅行者がアルコールを香港に持ち込む場合、量や度数に応じて免税枠が定められており、それを超えると関税が課される仕組みです。ルールを正しく理解しておくことで、入国時のトラブルを防ぎ、安心して旅行を楽しむことができます。

免税で持ち込める酒類の量

香港税関(Hong Kong Customs and Excise Department)が定める免税枠は、旅行者の年齢や滞在日数に関係なく次のように統一されています。成人(18歳以上)のみが対象となります。

種類 免税で持ち込める最大量 備考
蒸留酒(ウイスキー、焼酎など) 1リットルまで アルコール度数30%以上
ワイン・スパークリングワイン 制限なし 関税・消費税ともに免除
ビール・発泡酒 制限なし 商業目的でないことが条件

特筆すべき点は、ワインとビールが完全に免税対象であることです。これは、香港政府が観光促進と自由貿易政策の一環として酒税を撤廃しているためです。一方で、蒸留酒は度数の高いアルコール飲料として、1リットルを超える場合は課税対象になります。

免税枠を超えた場合の対応

免税範囲を超えてアルコールを持ち込む場合は、入国時に税関で申告が必要です。申告を怠ると罰金や没収の対象になります。申告の際は、購入時のレシートや領収書を提示すると手続きがスムーズです。関税はアルコールの種類や量によって計算され、特にウイスキーやウォッカなどの蒸留酒は課税率が高めに設定されています。
香港税関の公式サイトによると、申告しなかった場合は最大で罰金500,000香港ドル(約1,000万円)および2年以下の懲役が科せられる可能性があるとされています。

機内持ち込みと預け荷物の違い

航空機を利用する場合、液体の機内持ち込み制限(1容器あたり100ml以下、合計1リットルまで)があるため、酒類を持ち込む場合は基本的に預け荷物に入れるのが安全です。免税店で購入した酒類を持ち込む際は、レシートと封印された状態を保つ必要があります。乗り継ぎ便がある場合は、その空港のルールも併せて確認しておきましょう。

よくある誤解と注意点

・ワインやビールは免税対象だが、商業目的と判断される数量(例:ケース単位)を持ち込むと課税される可能性があります。
・アルコール度数が明記されていない製品(特にリキュール類)は、税関で蒸留酒として扱われることがあります。
・18歳未満の旅行者は免税枠の対象外であり、酒類の持ち込みそのものが禁止されています。

旅行者が覚えておきたいポイント

1リットルを超える蒸留酒を持ち込みたい場合は、申告を前提に行動することが大切です。トラブル防止のため、ラベルが明確に貼られた製品を選び、未開封の状態で持ち込むのが望ましいとされています。また、現地の法律では公共の場での飲酒が制限されているエリアもあるため、持ち込み後の取り扱いにも注意しましょう。

【参照】
・香港政府観光局(Hong Kong Tourism Board) https://www.discoverhongkong.com/

ペットボトル持ち込みの規定

香港では、ペットボトルを含む液体の持ち込みに関して、安全性と環境保護の両面から細かなルールが設定されています。旅行者がよく気にするのは「水や飲み物をどこまで持ち込めるのか」という点ですが、航空機の手荷物検査規定と、香港政府によるプラスチック容器規制の両方を理解しておくことが大切です。

機内持ち込み時のルール

香港国際空港では、国際民間航空機関(ICAO)の基準に基づき、液体の持ち込みに以下の制限が設けられています。

区分 内容
容量制限 1容器あたり100ml以下
総量 最大1リットルまで
梱包方法 透明で再封可能な袋に収納
対象 水、ジュース、化粧品、スプレーなどの液体全般

このため、500mlのペットボトル飲料は機内に持ち込むことができません。出発前に飲み切るか、保安検査後の免税エリアで新たに購入する必要があります。免税店や搭乗ゲート付近の売店では、検査後に購入した飲料をそのまま持ち込むことができます。

香港入国時のペットボトル規定

入国後に税関での液体制限は基本的にありません。ペットボトル入りの飲料水、茶、ジュースなどは個人消費の範囲であれば問題なく持ち込めます。ただし、開封済みの飲料やラベルが剥がれているものは、内容不明と判断され没収されることがあります。また、アルコール飲料が含まれている場合は、前述の酒類の免税規定が適用されます。

環境保護の観点からの規制強化

香港では近年、プラスチックごみの削減を目的とした「一次プラスチック製品規制条例(Regulation on Disposable Plastics)」が段階的に導入されています。2025年にはペットボトルの再資源化を義務づける制度が本格施行予定とされており、使い捨てボトルの削減が社会的なテーマとなっています。
そのため、旅行者も環境意識を持ち、再利用可能なボトルを使用することが推奨されています。多くの公共施設や空港、商業施設には無料の給水ステーションが設置されており、マイボトルの利用が進められています。

よくあるトラブルと対策

旅行者がトラブルに遭いやすいのは、出国時に持参した未開封のペットボトルを「捨てたくない」と思い、手荷物に入れたまま検査場を通過しようとするケースです。この場合、確実に没収されます。特に日本からの出発便では、乗り継ぎ時に再度保安検査があることが多く、乗り継ぎ先での没収も起こりやすいです。
安全かつ確実な方法は、チェックイン後に搭乗ゲートで飲料を購入するか、現地で調達することです。

香港滞在中の安全な飲料事情

香港の水道水は国際基準を満たしているとされていますが、建物内の配管設備の老朽化などから、飲用には市販のペットボトル水を選ぶ人が多い傾向にあります。市内のコンビニやスーパーでは、各国ブランドのミネラルウォーターが豊富に販売されており、価格も10〜15香港ドル前後が一般的です。

旅行者が心がけるべきマナー

環境に配慮しつつ快適に滞在するためには、再利用可能なボトルを携帯し、現地の給水所を活用するのが理想です。ホテルや観光施設でもウォーターサーバーを設置している場合が多く、衛生面の不安も少ないとされています。ペットボトルの廃棄はリサイクル専用ボックスに行い、公共のゴミ箱には捨てないよう注意しましょう。

電子たばこ・たばこ商品の規制

香港では、たばこ製品に関する規制が非常に厳格であり、とくに電子たばこ(加熱式たばこを含む)に関しては、所持・販売・持ち込みのいずれも禁止されています。2022年4月30日に施行された「禁煙製品条例(Smoking (Public Health) (Amendment) Ordinance 2021)」によって、電子たばこをはじめとする「代替喫煙製品」は全面的に規制対象となりました。このため、旅行者が日本などから電子たばこを持ち込むことは、いかなる目的であっても法律違反となります。

規制対象となる製品

香港政府は、以下のような製品を「代替喫煙製品」として定義しています。

製品の種類 内容 規制内容
電子たばこ(Vape) 液体を加熱して蒸気を吸引するタイプ 所持・販売・持ち込み禁止
加熱式たばこ(IQOSなど) 専用たばこスティックを加熱して吸うタイプ 所持・販売・持ち込み禁止
ハーブたばこ・ニコチンフリーデバイス ニコチンを含まないものも含む 全面禁止
電子シーシャ(電子水たばこ) リキッド式の吸入装置 所持・販売・持ち込み禁止

このように、ニコチンを含まない製品や香料のみのリキッドであっても、電子たばことして扱われます。多くの旅行者が「使わなければ問題ない」と誤解しがちですが、香港では「所持そのもの」が違法行為に該当します。

違反した場合の罰則

香港税関の発表によると、電子たばこや加熱式たばこを所持・販売・輸入した場合、最大で罰金50,000香港ドル(約100万円)および6か月以下の懲役刑が科されるとされています。さらに、空港で発見された場合はその場で没収となり、悪質と判断されるケースでは取り調べを受けることもあります。

前述の通り、使用目的の有無に関係なく、電子たばこ本体・カートリッジ・リキッドのいずれも持ち込み禁止です。旅行の際には、電子たばこを荷物から完全に除外しておく必要があります。

紙たばこの持ち込みと制限

一方、通常の紙たばこは免税範囲内であれば持ち込みが認められています。成人(18歳以上)の旅行者1人につき、以下の数量が上限です。

製品種類 免税で持ち込める上限
紙たばこ 19本まで
葉巻 1本まで
刻みたばこ 25gまで

20本入りのたばこ1箱をそのまま持ち込むと上限を超えてしまうため、注意が必要です。1本でも超えると課税対象となり、申告漏れの場合は罰金や没収の可能性があります。

公共の場での喫煙規制

香港では公共施設や交通機関、ショッピングモール、屋内飲食店などでの喫煙が全面禁止されています。違反者には罰金1,500香港ドル(約3万円前後)が課されます。指定喫煙所は限られており、屋外でも人の多いエリアでは喫煙が制限されるため、観光時には標識や路面表示をよく確認することが大切です。

よくある誤解と注意点

旅行者の中には「電子たばこは医療目的であれば許可される」と誤解している人もいますが、香港では例外規定がありません。空港のセキュリティ検査でも電子デバイスが発見され次第、即時没収となります。
また、香港内で電子たばこ製品を販売・宣伝する行為も刑事罰の対象です。市内で電子たばこ関連の店舗を見かけることはなく、違法販売が確認された場合、運営者に厳しい処罰が下されます。

このように、香港では電子たばこ規制が極めて厳格に運用されています。旅行者は電子たばこ関連製品を携行せず、喫煙を行う場合は紙たばこを免税範囲内で持ち込み、指定喫煙所を利用することが求められます。

【参照】
・香港保健局(Department of Health, The Government of the HKSAR) https://www.dh.gov.hk/
・香港政府禁煙プログラム公式サイト(Smoke-free Hong Kong) https://www.smokefree.hk/

乳製品・チーズ・はちみつの扱い

香港への食品持ち込みでは、乳製品やチーズ、はちみつなどの動物由来食品が特に注意を要するカテゴリーに分類されています。これらの食品は、製造過程に動物性原料を使用しているため、検疫や輸入制限の対象となる場合があります。旅行者が安心して食品を持ち込むためには、香港政府が定める食品安全規則を正確に理解しておくことが欠かせません。

乳製品の持ち込みルール

香港の農業漁業自然保育署(AFCD)および食物環境衛生署(FEHD)は、乳製品(牛乳・練乳・ヨーグルトなど)の持ち込みに関して、以下の基準を設けています。

製品カテゴリ 持ち込み可否 条件
市販の粉ミルク 可能 未開封・個人使用目的に限る
液体ミルク 原則不可 要冷蔵・保存性に問題あり
チーズ(ハードタイプ) 可能 工場製造・密封包装されている場合
チーズ(ソフトタイプ) 原則不可 発酵状態により衛生上の懸念がある
ヨーグルト・バター 原則不可 動物検疫対象となる

とくに液体乳製品やソフトチーズは、冷蔵保存を必要とするため、輸送時に衛生上のリスクが高く、税関で没収される可能性があります。一方、常温保存可能な粉ミルクや真空パックのチーズは比較的安全に持ち込めます。

チーズの種類による扱いの違い

チーズには硬質・半硬質・軟質など複数の種類がありますが、香港では保存性の高さに応じて判断されます。
例えば、チェダーチーズやパルメザンチーズなどのハードタイプは問題なく持ち込めますが、ブリーやカマンベールのようなソフトタイプは発酵過程で細菌が残存するリスクがあるため、衛生上の理由から制限対象となります。

はちみつの持ち込み制限

はちみつも自然由来食品として検疫対象になります。香港政府によると、未加工の生はちみつや養蜂場直送の製品は、動物由来製品として申告が必要とされています。一方、市販の瓶詰めはちみつで、加熱処理されている製品は一般的に個人使用目的であれば持ち込み可能です。ただし、容量が1リットルを超える場合や商業目的と判断される場合は、税関で課税対象となる可能性があります。

よくある没収事例

旅行者が没収されるケースとして多いのは以下のようなものです。

食品 没収理由
手作りチーズ 成分・製造過程の証明がないため
開封済みの粉ミルク 衛生上の理由で不可
非加熱はちみつ 細菌汚染リスクのため禁止対象
保冷剤入りヨーグルト 動物検疫対象物として扱われる

前述の通り、商業用でなくても「安全性の確認ができない」食品は没収対象になるため、購入時のパッケージや製造ラベルを保持しておくことが大切です。

安全に持ち込むためのポイント

・工場製造・未開封の製品を選ぶ
・英語または中国語で成分表示があるものを持参する
・動物由来の原料が含まれる製品は避ける
・数量は個人消費範囲(数個〜1kg未満)に留める

これらを守ることで、検疫でのトラブルを防ぐことができます。

はちみつと乳製品の代替策

香港では、輸入食品の種類が豊富で、日本製の乳製品やはちみつも市内のスーパーで容易に入手できます。持ち込みリスクを避けたい場合は、現地で購入する方法も賢明です。特に大手スーパー(例:City’super、Taste、ParknShopなど)では、日本ブランドのチーズやはちみつも販売されています。

前述の通り、香港の食品検疫制度は衛生と安全を最優先としており、旅行者が不利益を被らないためにも、最新情報を公式機関で確認しておくことが推奨されます。

スパイス・乾物・お菓子の可否

香港への旅行時に、スパイスや乾物、お菓子をお土産や携行食品として持ち込む人は多いですが、実際にはこれらの食品にも細かなルールや制限があります。特に香港は食品の安全性に厳しい基準を設けており、動植物由来成分を含むものは検疫や申告が必要となる場合があります。ここでは、香港でのスパイス・乾物・お菓子の持ち込み可否を、種類別に分かりやすく解説します。

スパイスの持ち込み可否と注意点

スパイス(香辛料)は基本的に商業目的でなければ持ち込み可能とされています。ただし、動物性成分を含む調味料や粉末スープなどは検疫対象となるため注意が必要です。

種類 持ち込み可否 補足事項
塩・胡椒・乾燥ハーブ 可能 開封済みの場合は衛生上の理由で制限される場合あり
カレー粉・唐辛子・ミックススパイス 可能 商業目的と判断される量は不可
顆粒スープ(動物エキス含む) 原則不可 肉・魚エキスが含まれると動物検疫対象
即席調味料(ペースト状) 原則不可 液体扱いになるため液体制限の対象にもなる
サフラン・シナモンなど高価スパイス 可能 少量であれば問題なし

このように、植物性の乾燥スパイスは比較的自由に持ち込めますが、動物性原料(鶏エキス・牛脂・魚粉など)を含む製品は香港の「動物及び植物(輸入及び輸出)条例(Cap.421)」に基づき申告または禁止扱いとなることがあります。
特に日本製のカレールウやスープの素などは、成分に動物エキスを含むことが多いため、製品ラベルを事前に確認することが重要です。

乾物の持ち込み制限と判断基準

乾物は一見安全に思えますが、その成分によっては持ち込みが制限されます。特に魚介類や肉由来の乾燥食品は、感染症防止のため持ち込み禁止とされています。

乾物の種類 可否 理由
乾燥昆布・干ししいたけ・乾燥野菜 可能 植物由来で安全性が高い
干しえび・煮干し・かつおぶし 原則不可 動物検疫の対象(魚介類製品扱い)
ドライフルーツ 可能 無添加・未開封であれば問題なし
干し肉・ビーフジャーキー 持ち込み禁止 動物由来製品のため
中華乾燥食材(フカヒレ・ナマコなど) 原則不可 ワシントン条約や輸入規制対象になることがある

特に日本から人気のお土産である「かつおぶし」や「干しえび」は、香港では「加工動物性食品」とみなされ、検疫証明書のない製品は没収対象となることが多いです。一方で、野菜や果物を乾燥させた製品(ドライベジタブル、ドライフルーツ)は衛生的に包装されていれば問題なく持ち込めます。

お菓子の持ち込みルール

お菓子に関しては、個人使用目的であれば比較的寛容に扱われています。ただし、乳製品や肉製品を含むお菓子には注意が必要です。

お菓子の種類 持ち込み可否 注意点
クッキー・ビスケット類 可能 個人消費分量であれば制限なし
チョコレート・キャンディー 可能 ただし乳成分を含むため暑さに注意
和菓子・餅・どら焼き 原則可能 生クリーム入りは制限対象
ミートパイ・肉入りスナック 禁止 動物由来成分を含むため持ち込み不可
ケーキ・生菓子 原則不可 要冷蔵・保存困難なため

前述の通り、動物性成分が含まれる製品は香港の検疫制度の対象となるため、持ち込みを避ける方が無難です。特に「乳製品入りチョコ」「クリームサンドビスケット」などは、気温や保存状態により安全性が損なわれやすく、税関職員によって没収されるケースも報告されています。

商業目的とみなされる基準

香港税関では、以下のような基準で「個人使用」と「商業目的」を区別しています。

判定基準 内容
数量 同一商品を複数箱(例:10個以上)持ち込むと商業目的とみなされる可能性あり
梱包状態 個別包装が大量の場合、販売意図があると判断される
税関申告 販売用と疑われた場合、関税および輸入許可が必要になる

そのため、家族や友人へのお土産であっても、同一商品を大量に持ち込むことは避けるのが安全です。

よくある没収・トラブル事例

・出発前に購入したカレールウが肉エキスを含み、入国時に没収された。
・乾燥魚介類(干しえびや煮干し)が動物検疫対象となり申告漏れで罰金。
・大量の日本製スナックをお土産として持ち込み、商業目的と誤解された。

このようなケースを防ぐためにも、製品ラベルを確認し、動物性原料や大量持ち込みを避けることが大切です。

安全に持ち込むためのポイント

・動物由来成分(肉・魚・乳)を含まない製品を選ぶ
・未開封・密封包装のものに限定する
・数量は家族消費分程度(目安として5〜6個)に抑える
・成分表示が英語または中国語で明記された製品を優先する

また、香港は食の多様性が高く、日本の調味料やスナック類も現地のスーパーで豊富に入手できます。リスクを避けるためには、持ち込みではなく現地調達を選ぶことも有効な選択です。

香港は食品安全と輸入衛生管理を重視しており、特に動植物由来食品には厳格なルールが存在します。持ち込み前に香港税関や食物環境衛生署の公式情報を確認し、安全で快適な渡航を心がけましょう。

香港への持ち込み禁止食品に関するまとめ

  • 肉や卵を含む食品は個人使用でも基本的に持ち込み禁止
  • ソーセージやハムなどの加工肉も証明書がなければ禁止
  • 卵入り製品(マヨネーズやケーキなど)も没収対象
  • 生の果物や野菜、種子、苗木の持ち込みは禁止
  • ドライフルーツや乾燥ハーブは証明付きなら許可される場合あり
  • カップ麺は動物性成分入りだと禁止される
  • 野菜系カップ麺は未開封であれば持ち込み可能
  • 機内の液体は100ml以下、合計1リットルまで持ち込み可
  • ペットボトル飲料は入国後なら未開封品に限り可
  • パンは肉や乳製品を含まないタイプなら少量持ち込み可
  • 蒸留酒は1リットルまで免税、ワインとビールは制限なし
  • 電子たばこや加熱式たばこは所持自体が違法
  • 紙たばこは19本まで免税範囲で持ち込み可
  • チーズや乳製品は未開封・ハードタイプのみ許可される傾向
  • 動物性乾物や肉入りお菓子は持ち込み禁止